株式会社トレジャリー・パートナーズの為替予測正答率、計算方法

本記事では、株式会社トレジャリー・パートナーズ(以下TP)が週次で配信している為替予測について、正答率の計算手法を整理する。

予測の形式

週次で配信されるThe FX Report, Weeklyで、購読者は相場変動前に予測を確認できる。予測は次週の方向感を「上昇」「フラット」「下落」の3択で提示する。購読者はこの情報を参考に、相場変動前に取引方針を検討しトレードに活用できる。

使用データ

検証対象は、期間を2022年始から現在まで、通貨はドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ドル人民元(USD/CNH)とする。レートはInvesting.comのWeekly/Dailyデータを用いる。

計測ルール

相場変動の方向はInvesting.comの週次データを小数点第2位までで扱い、1週間の始値と終値で比較し上昇していれば「上昇」、下落していれば「下落」と判定する。予測が「フラット」の週は評価対象から除外し、予測が「上昇」または「下落」と提示された週のみについて、相場変動の方向と一致した場合を正解、一致しない場合を不正解として採点する。正答率は、正解数を「上昇」「下落」と予測した週数で除して算出する。

正答率=正解の週数/予測が上昇または下落の週数

結果とメガバンク比較

予測と実際の値動きの方向が一致しているかを同一ルールで判定し、TPに加えて三菱UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行のWeeklyレポートに掲載される為替予想レンジを用いて正答率を算出し、通貨ペア別に比較する。具体的なプロセスは以下の通りである。

  1. 観測期間の始めと終わりを、各銀行レポートの記載に基づいて確定する。
  2. 予想レンジの中央値を算出し、予測値として採用する。
  3. 観測期間の始めは始値、終わりは予測値を用いて、予測側の変化量を算出する。
  4. 同じ観測期間について、Investing.com の価格データを参照し、現実の変化量を算出する。
  5. 予測側と現実の変化量がともに正、またはともに負であれば〇、それ以外は×と判定する。
  6. 〇の件数を判定対象の週数で除して正答率を算出し、TPと3行で通貨別に比較する。

為替予測の意義

精度の高い為替予測を活用する意義は、方向性の判断精度を高め、勝率を押し上げる点にある。勝率が数パーセント改善するだけでも、その差は取引回数を重ねるほど累積し、長期の損益に反映されやすい。さらにバルサラの破産確率が示すように、資金枯渇リスクの低下にもつながる。

勝率とプロフィットロスによる分解

トレーディングの成果は、勝率と損益比率(平均利益 ÷ 平均損失)の二軸で整理できる。
期待値は勝率と損益比率の組み合わせで決まり、勝率が50%を下回っていても、平均利益が平均損失を十分に上回れば期待値はプラスになり得る。逆に、勝率が高くても損益比率が不利であれば期待値はマイナスになり得る。
したがって運用成果を改善する方向性は①勝率を押し上げる②利確と損切の設計により損益比率を有利にする、の2点から整理できる。

バルサラの破産確率における勝率の位置づけ

長期で重要なのは収益性だけでなく、運用を継続できるかである。バルサラの破産確率は、資金が特定の水準を下回り運用継続が困難になる可能性を、勝率、損益比率、そして資金管理の余力から捉える枠組みである。

この考え方のポイントは、勝率が上がるほど、資金が枯渇する可能性が小さくなるという点にある。勝率が高くなるほど、同じ回数トレードしたときに長い連敗に遭遇する確率が下がり、結果として致命的な資金不足に至りにくい。加えてこの効果は、勝率が少し改善しただけでも、長い運用期間や取引回数の増加によって差が拡大しやすい。

以上より、精度の高い為替予測はトレードにおいて大きな武器となると言えよう。